理事長挨拶
バイオシミラーを取り巻く環境
バイオ医薬品は、がん、血液疾患、自己免疫疾患等において治療の可能性を大きく広げ、患者さんの生命予後や生活の質の向上に寄与してきました。一方で、薬剤費は高額となりやすく、患者さんの経済的負担や社会保障費の増大が重要な課題となっています。バイオシミラーの普及は、医療費の適正化に貢献するだけでなく、必要な治療をより多くの患者さんが選択できる環境づくりにつながります。
わが国ではバイオシミラーの使用促進がより明確な政策課題となりました。政府は2029年度末までに、バイオシミラーが上市された市場で80%以上の数量を占める成分の割合を全体の60%以上とする目標を掲げ、医療費の適正化を推進するとともに、バイオ医薬品産業の育成、国内生産体制の整備、製造人材の育成・確保、安定供給の確保にも取り組む方針を示しています。
厚生労働省では、医療関係者、保険者、都道府県担当者、患者・市民に向けた講習会や情報提供、診療報酬上の評価、「都道府県医療費適正化計画」への反映などの取り組みにより、バイオシミラーを安心して選択できる環境整備を進めています。一方で、品質・安全性・有効性への正しい理解、先行バイオ医薬品からの切替えに関する情報提供、患者さんへの丁寧な説明など、普及に向けて取り組むべき課題はなお残されています。
こうした状況の中、当協議会も厚生労働省の普及活動への協力や、学術集会、Web講演会、バイオシミラーへの造詣が深い方々との対談などの実施、メディアを通じた情報発信、一般の方々や医療関係者向けのQ&A集や啓発資材の整備などを通じて、バイオシミラーの普及・啓発に取り組んでおります。
日本バイオシミラー協議会の役割
日本バイオシミラー協議会は、アカデミア、医療関係者、患者団体、政府関係の方々と連携し、公正な立場から、バイオシミラーに関連する情報の提供や理解を促すための活動に取り組んでおります。
また、効率的で科学的な開発の推進、規制・評価に関する最新情報の提供、市販後に得られる知見の発信を通じて、医療の場が安心してバイオシミラーを選択できる基盤づくりを進めていきます。
当協議会は、患者さん一人ひとりが適切な治療選択肢にアクセスでき、同時に社会全体として持続可能な医療保険制度を次世代へ引き継ぐことができるよう、バイオシミラーの開発・規制・普及・安定供給等をめぐる課題の共有、解決案の策定・提言、さらには産官学のステークホルダーによる情報交換・議論の場を設けてまいります。
皆様のご理解、ご賛同とご支援をお願い申し上げます。
2026年10月1日

